緊急情報
本文
サイトの現在位置
2020年11月24日 更新
世界遺産「紀伊山地の霊場と参詣道」
 世界遺産「紀伊山地の霊場と参詣道」は、平成16年7月7日に世界遺産に登録されました。
 世界遺産とは、遺跡や文化的価値の高い建造物、貴重な自然環境を保護・保全し、人類にとってかけがえのない財産を後世に継承していくことを目的に、世界遺産条約に基づく世界遺産リストに記載されている物件のことをいい、「人類共通の宝物」なのです。

世界遺産「紀伊山地の霊場と参詣道」

 紀伊山地は、神話の時代から神々が鎮まる特別な地域と考えられていました。また、仏教も、深い森林に覆われた紀伊山地の山々を仏や菩薩の「浄土」に見立て、仏が持つような能力を習得するための山岳修行の舞台としました。その結果、紀伊山地には、それぞれの起源や内容を異にする「吉野・大峯」、「熊野三山」、「高野山」の三つの「山岳霊場」とそこに至る「参詣道」が生まれ、都をはじめ全国から人々の訪れる所となり、日本の宗教・文化の発展と交流に大きな影響を及ぼしました。

紀伊山地の霊場と参詣道の地図画像
那智勝浦町の案内図

那智勝浦町案内図




 「紀伊山地の霊場と参詣道」は、三重、奈良、和歌山の三県にまたがる紀伊山地の自然がなければ成立しなかった「山岳霊場」と「参詣道」、及び周囲を取り巻く「文化的景観」が主役であり、それが世界的にも認められました。

 那智勝浦町内でも、熊野那智大社、那智山青岸渡寺や那智の滝、補陀洛山寺や熊野古道などが世界遺産として登録されています。

熊野那智大社

 熊野速玉大社・熊野本宮大社とともに熊野三山と呼ばれ、古来より多くの人々の信仰を集めた熊野那智大社は、那智山青岸渡寺とともに熊野信仰 の中心地として栄華を極め、今なお多くの参詣者が訪れています。

 473段の石段を登り、標高約500mに位置する社殿は6棟からなり、夫須美神(ふすみのかみ)を御主神としてそれぞれに神様をおまつりして います。夫須美神は伊弉冉尊(いざなみのみこと)ともいい万物の生成・育成を司るとされ、農林・水産・漁業の守護神、また縁結びの神様として崇められています。


熊野那智大社の画像
樟の木の画像

樟の木(県天然記念物)

 現在の位置に社殿が創建されたのは仁徳天皇の御世(317年)で、その後、平重盛が造営奉行となって装いを改め、やがて、織田信長の焼討に遭ったのを豊臣秀吉が 再興し、徳川時代に入ってからは、将軍吉宗の尽力で享保の大改修が行われています。本殿は国の重要文化財に指定されています。

 境内には、神武天皇東征の道案内をした八咫烏が石に姿を変えたという烏石の他、後白河上皇お手植えの枝垂れ桜や平重盛が植えたという樟の木(樹齢約850年)が大きく茂っています。

 7月14日には那智の扇祭りが盛大に行われ、また、往時の参詣を再現したあげいん熊野詣が10月の第4日曜日に行われています。

交通アクセス
  〇バス
    紀伊勝浦駅から熊野交通路線バス「那智山行き」で、約30分、終点バス停下車、下車後徒歩15分(石段が続く)
  〇車
    那智山の県道から、通行料800円の防災道路を通れば、 神社・お寺のすぐ隣まで行けます。
  〇その他
    観光タクシー・定期観光バスなどもあります。
  住所:那智勝浦町那智山1番地

西国三十三所観音巡り一番札所 那智山青岸渡寺

 如意輪観世音を祀る青岸渡寺は、一千日(3年間)の滝篭りをされた花山法皇が永延2年(988)に御幸され西国三十三所観音巡り1番札所として 定めたとされ、全国より、多くの信者や参詣者が訪れます。

 現在の本堂は天正18年(1590)に豊臣秀吉が再建したもので、桃山時代の特徴を色濃く残し、国の重要文化財に指定されています。
 また、本堂後方には、朱色の三重の塔が聳え、壮大な大滝とのコントラストが美しさをかもし出しています。

 4世紀の頃、インドから那智の浜辺に流れ着いた裸形上人が大滝の滝壺から観音像を見つけ出し、そこに草庵を結んで安置したのが起こりといわれています。

那智山青岸渡寺の画像

那智山青岸渡寺

那智の滝と三重塔の画像

那智の滝と三重塔

交通アクセス
  〇バス
    紀伊勝浦駅から熊野交通路線バス「那智山行き」で、約30分、終点バス停下車、下車後徒歩15分(石段が続く)
  〇車
    那智山の県道から、通行料800円の防災道路を通れば、お寺のすぐ隣まで行けます。
  〇その他
    観光タクシー・定期観光バスなどもあります。
  住所:那智勝浦町那智山8番地


那智の滝

 那智山の奥山、大雲取山から流れ出る本流にいくつもの流れが重なり合い、ついには原生林を切り裂くように落下しているのがこの「那智の滝」です。

 水柱は落差133m、銚子口の幅13m、滝壺の深さは10mの名瀑で、落差は日本一です。銚子口の岩盤に3つの切れ目があって、三筋になって落下し始めるところから、「三筋の滝」ともよばれています。

 その上には注連縄が張られているのを仰ぎ見ることができますが、神社(飛瀧神社)の御神体としてこの滝を崇め、毎年7月9日と12月27日には古来からの神事にのっとり「御滝注連縄張替行事」が行われています。

 かつて、諸国からこの滝に詣でる人々は写経を経筒に入れてお滝入口の大鳥居をくぐってすぐ左側の「那智経塚」にそれらを納めました。

 また、皇室の方々がお参りになると参道に記念の塔婆を建てられ、亀山上皇が弘安4年に参詣された折のものがいまも宝物殿に納められており、それを模したものを、当時の面影のまま参道に建てています。入口より御滝本までは昔のままの石畳の道が続き、これを「鎌倉積石階段」といいます。

 滝の右手には南方熊楠が粘菌の採取を行った那智原始林(国天然記念物)が広がり、大滝を始め48の滝があるといわれ、二の滝や三の滝・陰陽の滝などが知られています。

那智の滝の画像
那智原始林の画像

那智原始林
 
熊野那智大社所有で面積約32ha、温暖多雨の気候に恵まれ、多くの珍奇植物が確認されています。
昭和3年に国指定の天然記念物になっており、今回、世界遺産にも認定されました。
南方熊楠が粘菌の採取に没頭した地としても広く知られています。

※二の滝・三の滝や那智原始林は、熊野那智大社神域となっており、通常は見学することはできません。



世界遺産「那智の滝」を守ろう
 
 日本一の名瀑であり世界遺産となった「那智の滝」の美しい姿を将来にわたり守っていくために、「那智の滝源流水資源保全事業基金」を設置し、皆様からのご寄附をお願いしています。
 基金は、歴史的文化遺産を、そして大自然を、私達が先頭となり保全して行くことを目的としています。特に「那智の滝」の水資源のために必要な森の保全管理には多額の経費が必要であり、基金の積み立ては保全事業を円滑に実施していこうとするためのものです。

 基金の詳細及び寄附の方法につきましては、「那智の滝源流水資源保全事業基金」のページをご覧ください。
 皆様のご協力をよろしくお願いいたします。

交通アクセス
  〇バス
    紀伊勝浦駅から熊野交通路線バス「那智山行き」で、約30分、「那智の滝前」バス停下車、下車後徒歩5分(石段で下る)
  〇その他
    観光タクシー・定期観光バスなどもあります。
  〇駐車場
    滝前トイレ横に4台分無料の駐車スペースあり。その他は周辺の民間駐車場(有料)をご利用ください。
  住所:那智勝浦町那智山

補陀洛山寺

 紀勢本線JR那智駅から国道を渡ったところに補陀洛山寺があり、渡海上人達をおまつりしております。
 那智駅前面に広がる浜の宮海岸は、平安時代からおよそ千年に渡って南海の果てにあると信じられていた観音浄土を目指して渡海上人が、釘付けされた船の中に座り補陀落渡海に出発したところでもあります。

 御本尊である千手観音は、平安時代後期の作で、国の重要文化財に指定されています。千手は、あらゆる衆生を救済しようとする慈悲と力の広大さを表しています。ご尊顔や温雅な表情にも慈徳がうかがえます。

補陀洛山寺の画像

補陀洛山寺

補陀洛山寺千手観音の画像

補陀洛山寺千手観音

交通アクセス

  紀伊勝浦駅から熊野交通バス、那智山行で、約10分、那智駅下車、徒歩3分
  住所:那智勝浦町浜ノ宮348番地

熊野古道(熊野参詣道)

 「紀伊山地の霊場と参詣道」は、修験道の拠点である「吉野・大峯」、 熊野信仰の中心地である「熊野三山」、真言密教の根本道場である「高野山」の三霊場及び、それらを結ぶ「参詣道」から構成されています。

 三霊場に対する信仰が盛んになるにつれて形成され、整備されたのが「大峯奥駈道」、「熊野参詣道」、「高野山町石道」と呼ばれる三つの道です。これらの道は、人々が下界から神仏の宿る浄域に近づくための修行の場であり、険しく清浄な自然環境のなかに今日まで良好な状態で遺り、沿道の山岳・森林と一体となった文化的景観を形成しています。

 「熊野参詣道」は、「熊野三山」に参詣する道で、京都方面からの参詣のために最も頻繁に使われた「中辺路」、「高野山」との間を結ぶ「小辺路」、紀伊半島の西南部の海沿いを行く「大辺路」、伊勢神宮との間を結ぶ「伊勢路」からなっており、この「熊野参詣道」のことを「熊野古道」と呼んでいます。

 

大門坂
 熊野古道の中でも、当時の面影を特に美しく残している「大門坂」。聖地「那智山」へと約640mの石畳が続きます。
 「耳なれた音、耳なれた色を忘れ 静寂の中で心還るとき ここでなければ逢えない神秘と 出逢う」
 苔むした石段と樹齢800年を越す老杉等に囲まれ、往古の熊野詣が偲ばれます。今でも木陰から法皇や上皇たちの話し声が聞こえてくるようです。
 九十九王子最後の王子といわれる「多富気王子(たふけおうじ)」や、那智の瀧が見えるポイント等、途中にたくさんの見どころがあります。

大門坂の画像
夫婦杉の画像

 登り口にそびえる「夫婦杉」が参詣者を出迎えます。
 ここにある大門坂茶屋では平安衣装体験ができます。

大門坂駐車場の画像

 登り口前には、無料の駐車場があります。
 屋根つきの休憩スペースやトイレがあり、那智山に参詣する前の拠点となっています。

大門坂茶屋
 熊野古道大門坂の夫婦杉近くにあり、那智山へ行かれる皆さまをお迎えしています。
 大門坂茶屋では、平安衣装の貸出しも行っています。
 平安衣装を着て大門坂を歩いてみませんか?
【お問合わせ】
那智勝浦町観光案内所 TEL:0735-52-5311
【お申込み先】
大門坂茶屋 TEL:0735-55-0244
      FAX:0735-55-0279
詳しくは 那智勝浦観光機構HP(外部リンク) をご覧ください。

平安衣裳を着て夫婦杉を背景に写真撮影を行うイメージ画像
大門坂茶屋の画像
平安衣裳を着て大門坂を歩いているイメージ画像

本文終わり
掲載内容に関するお問い合わせはこちら
観光企画課 観光商工係
住所:649-5392 和歌山県東牟婁郡那智勝浦町大字築地7丁目1-1
TEL:0735-52-2131
FAX:0735-52-3011